自転車を買ったよ!

 タイトルの通りです。なんの捻りもありません。

 自転車を買いました。お値段は7万円ほど。シティサイクルとしてはかなり良い部類に入るのではないでしょうか。思い切りました。

 自転車を買うのは実に13年ぶりです。13年以上前に35,000円程で購入したものをひたすら利用していました。途中何度か危機的な状況もありましたが、その度に修理をし、どうにかもたせてきたのです。しかしさすがに限界、ということで、昨年秋ごろから新しい自転車の購入を考え始め、先週の土曜日、ついに手に入れました(なお、前の自転車は引き取ってもらいました ーちょっと感傷的になるかと思ったら、案外そうでもなかった)。

 購入の数日前に、近所のサイクルショップを訪れ、3~4万円程度の頑丈な自転車が欲しい、と店主の方に伝えたところ、「それならこれはどうですか?」と勧められたのがきっかけです。「はるかに予算オーバーですが、一度帰って検討します」とお伝えし、家であれこれ思いを巡らせてみました。考えてみると、私は自転車には結構頻繁に乗りますし、それなりの距離を走ることもあります。そうすると、生活のそれなりの割合を占める時間が快適であることはむしろ望ましいこと。それに、ものもちの良さは前回の自転車で実証済み、耐久性はとても良いとのことですから、次も10年以上は乗ることでしょう。それなら数万円の節約よりも日々の快適さを大切にしたほうがよかろう、という結論に至ったわけです。それに、私は車に乗りませんので、仮に相当額の自転車を購入したとしても、自家用車を買うよりは遥かに安いではないか、とも思いました。かくして先週の土曜日の購入と相成ったわけです。

 こんな次第で、今私は、新たな自転車に折々乗っているのです。乗り心地は、普通のスピードで走っている時は前のものと変わらないようですが、少し速度を上げると、遥かに快適であることがわかります。上でも触れたように、耐久性は相当良いようですが、それはそれとして、大切に乗っていきたいという気持ちももっています。私は自転車の扱いはぞんざいなほうなのですが、高いものを買ったためか、「大切に、丁寧に」という気持ちが強くなっています。

 この、高いものは大切に、という気持ちは、やや高額の商品を購入する際の心理的効用かもしれませんね。また、そうした気持ちが、身の回りにある高額ではない普通の品々をも大切にする気持ちに繋がればなお良い。少し書いたこともあるように、私は財布と万年筆はある程度高額のものを購入しましたが、その時もそんな気持ちになったと記憶しています。さすがに十年ほど経ったため、現在この財布とペンケースはボロボロですが(万年筆は綺麗です)。

 それに、鬱屈した気持ちになりがちな現在、こうしたちょっとした贅沢で気持ちが晴れるというのは、好ましいことと思います。経済効果もあるわけですし。無理に高額のものを買うこともありませんが、生活に必要なもの、あるいは生活に潤いを与えてくれるものについて、適度に計算しつつ各人の財布が許す限りで「贅沢」をしていく、というのは、現状を生き抜く知恵にもつながるのではないか、と、少しだけ思いました。ちょっと大げさかもしれませんが。別に自分の自転車の購入を正当化したいわけではありません(笑)。

 

 話は変わりますが、傘については、今のところ私は安物しか買わないこととしています。これは、二十年ほど前に、購入した一万円の傘をその日に紛失する、という大失態があったからです。立ち直るのに少し時間を要しました。これを教訓(?)に、なくしがちな傘は安物で、としてきたのですが、そろそろちょっと高額なものを買っても良いような気がしてきました。

 

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