ねずみの一生、人の一生

ねずみを仕事で育てています。ねずみの寿命は1-2年ほどです。
懐胎期間は3週間。生まれて3週間で乳離れしても大丈夫になります。
生殖ができるのは生後6週くらいから(母体保護のために8週以降の妊娠が推奨されてます)。
4ヶ月を過ぎると生殖能力がちょっとおとろえてきます(特に、それまで生殖したことのない個体は)。
6ヶ月以降からは老年期に入ります。太ったり、白髪が生えたり。
こうしてみると、かれらの1か月が人間の10年くらいなのかもしれません。


彼らの一生のうち、生まれて3週〜6週くらいの時期が一番元気な気がします。
もっとおとなになるともっさりした動きになるのですが、仔ネズミは目を見張るほどの運動能力と力にあふれています。自分の身体の三倍くらいはジャンプできるんじゃないかな。ぴょーんとケージから私の服にジャンプしてそれから私の身体を垂直にのしのし歩いたりなんてこともできます。


この前、とある二十台のかたの生きるのが苦しいという悩みを聞いたときに、この仔ネズミを思い出しました。苦しいだろうけれども、それと同時に、きらきらしてると感じたからです。思うようにならない現実もさることながら、深く深く苦しめるだけの活力があるんですよね。
おおー青春だなーと思いながら、同時に、私はもうその季節を過ぎたのだと思いました。そのころに戻りたいわけではないけど、懐かしくはある感じ。悩み苦しみもいとおしい感じ。私は中年期に入ったのですね。


こけぐま