日記

北京にきて三週間がすぎました。入国審査の検査官が、こわもてでむっつりしてて「なに、中国語も話せないの」という雰囲気だったのが、娘の顔写真を撮影する際に、娘をカメラの高さまでよいしょーと持ち上げたとき、急にふにゃふにゃの笑顔になったのが印象的。水曜日の夜7時頃につく飛行機だったのが、空港を出たら9時。研究所のHRのJさんが、運転手2人と車二台で迎えにきてくれる(待たせてごめんと伝えたら、1時間待ったけど、2時間まったこともあるから大丈夫!だって)。運転手さんたちも、なにくれとなく娘をかまってくれた(歩くとき手をつないだり、寒いからとぼうしをかぶせたり)。中国のおじさんたちは、子どもが好きな場合にそれを素直にあらわす感じがします。その点は、意外で、また、好感をもちました。夜10時ごろアパートに到着。Jさんが、スーパーで水や食料、IKEAでシーツや布団を買っておいてくれた(Jさんのポケットマネーなのであとで清算)。2歳の子が家で待っているというのに、夜遅くまでつきあってくれて感謝。

翌日は、朝から携帯電話契約、日用品の買い物、銀行契約、公安で居住先の届け出(すべての外国人は、住み始めて24時間以内に住む場所を登録する。最初は公安にいく必要があるけど、次回からはオンライン)、最後にアパートへ入居の届け出。昨日の運転手さんとJさんが一緒に回ってくれる。研究所でお昼を食べようとしたら夫の同僚のTさんがいたので、一緒にごはんを食べる。水餃子がおいしくて、ほっとしました。研究所のもう一つの食堂は鬱になりそうな雰囲気(部屋が暗くておいしくない)と聞いていたので、戦々恐々としていたのです。夜、出前アプリで出前を取ろうとしたら、登録ができなくて困る。電話番号で登録する際、最後のステップで電話がかかってきて認証コードを音声で伝えてくるのです。中国語ゼロできてしまったため、認証に失敗して、私のアカウントは24時間凍結されることに。最終的に、Tさんの奥さんのMさんにお願いして、代わりに注文してもらいました。お粥と肉餅。

翌日はDidi(配車アプリ)で、そのMさんに会いにいく。 フィラデルフィアに住んでいたとき以来なので、8年ぶりとかかしら。元気そうで嬉しい。イトーヨーカドーツアーにつれていってもらう。まだ海外カードと支払いアプリが連携してないため、Mさんにお金をかりる。夜、再度、出前アプリの登録に挑戦して、ようやく成功。

週末は家でごろごろ。翌週月曜日、これから住む予定のアパートを見に行く。北京市が研究者用に用意した、街中の2LDKのアパート(Mさんたちもこちらに住む)。内見をしたところ、なんというか、日本基準、アメリカ基準とはアパートの様子が違う。2018年に建てられて以来、未入居で、すごく、ほんとうにすごく、ほこりっぽい。また、水回りのトラブルが多いようで、北向き2部屋、南向き3部屋を見たうち、南向きの高層階の2部屋で水漏れのダメージがあった(そのうち一つはかなり深刻)。入居後の初期のトラブル対応が大変そうと心配になり、Mさんたちがいる別の棟で入れる部屋がないかを聞く(彼らの部屋では水漏れの話を聞かなかったので)。だけど、その棟だと用意できる部屋が1LDKになってしまうとのことだったので、今回見た部屋から選ぶことにする。後日、再度内見して、部屋の位置がいい(高層階南向き)けど、水ダメージと下水臭が気になり決め切れなった部屋に決定。その後、水ダメージの補修をしてもらって入居(そう、補修は入居が決まってからなんです)。それから、Mさんのおうちのお手伝いさんに、清掃の仕事をお願いする。

Mさんはいろいろな機会に誘ってくれて、一気に人と知り合う。中国系日本人で、アメリカの大学でPhDを取り科学雑誌の編集者をしているFさん、香港でMBAをとり広告会社の転勤で北京に来て以来10年になるCさん(旦那さまは20年前から北京にすむ、金融工学の教員をしている日本人。経済学者として、この20年の中国の移り変わりを間近で見るというのは、またとないフィールドワークの機会になったのではと思う)、読み聞かせの会の人たち(ポプラ社が北京に支店をもっていて、児童書の翻訳を出したりしているのです。子供の本を貸してくれます)。また、研究所の日本人PI(夫を含めて5人)の方々に、歓迎会を開いていただきました。すごく気さくで、楽しい雰囲気の食事会でした。こうした機会にいろいろな人から、北京のアパート事情をきいて、だんだんと、今の物件に納得がいく(水回りの問題はある程度仕方なくて、対応はすばやくしてくれるはずとのこと)。

二度目の週末は、娘の幼稚園候補の見学にいきました。Mさんが夏から子どもたちを入れる予定をしている中英バイリンガルの国際幼稚園です。行ってみたら、先生も設備も思っていたよりすばらしかったので、即決で通わせることにしました。すでに、アパートからの近さ、費用、設備、教育内容などの面で、いろいろ見て歩いた友達が選んだところなので、すごく安心して決められました。入金が結構大変で、国際デビットカードと紐づけたWechatPayで支払ったのですが、最初の数日は微々たる金額しか入金できなかったのです。その後、取引制限額の設定を変更して、数日かけて費用を支払いました。中国本土に住む外国人が一番最初にあたるハードルは、元支払いへの適応だと思います。

 

こけぐま