今年最後のお買い物は、サン=サーンスのCDのBoxでした。このBox、サン=サーンスが今年没後100年ということで秋ごろに出たのですが、買うかどうかかなり逡巡しておりました。お値段もそれなりだし、あと、Boxものをこれ以上増やすのもどうなのよ、という自己規制はあったわけです。
ただ、サン=サーンスのCDというのは、意外と手に入りにくいものが多い。室内楽曲などが特にそうですね。CDを註文しても売り切れ、ということがありました。しかし彼の弦楽四重奏曲やらピアノ五重奏には、興味があったので、思い切って購入したわけです。
数日前に届きましたが、年末年始、多少時間があるのをよいことに、ちょこちょこ聴いております。彼の弦楽四重奏曲は、結構面白いですよ。ところどころベートーヴェンの弦楽四重奏曲のような響きがする。19世紀半ばのフランスで室内楽を書く際にはベートーヴェンを意識せざるを得なかった、とどこかで読んだことがある気がするのですが、確かにそんな感じです。
あと、このBoxを買って良かったのは、サン=サーンスの七重奏曲(op. 65)を聴くきっかけになったこと。この曲、数年前にヴァイオリンを弾く畏友Kくんが大絶賛していたのに対して、「ふ~ん」と素っ気ない態度をとったことがあるのですが、以後、気になりつつもそのままにしてきた。今回、CDも手に入ったということで聴いてみました。いかにもサン=サーンスらしくて良いな、という曲です。
演奏はこちらのものをご紹介。
https://www.youtube.com/watch?v=MoLkFtSkVWo
サン=サーンスについては、かってKくんに冷たくした自分を棚に上げ、なぜ彼がこれほど過小評価されているのか考えてみたいと思っているのだが、アニヴァーサリー・イヤーである今年には叶わなかった。同じく過小評価されているきらいのあるアナトール・フランスの没後100年(2024年)には間に合わせて、二人あわせて論じてみたいとも思っている。
今年の最後にサン=サーンスについて語っているのは、単純に、今宵、今年最後に聴く曲は、彼の交響曲第3番「オルガン付」と決めているから(前からそう決めていた)。凡庸な選択という批判は甘んじて受ける。けれど、色々と緊張も多かった今年、最後くらいは酔っぱらってあの曲のロックなフィナーレに身を委ねたいのでございます。
一応リンクを貼っておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=5GrO47WJKTI
ながらで良いので全部かけていただければと思うけれど、時間のない方は第2楽章から(22分40分)でもいいですし、さらにお忙しい方は、第2楽章後半部(30分30秒)からでも結構です。
みなさま、良いお年を
M&M's