そうか、小6でそれか

 (近所付き合いのトラブルを、自分が被害者だと思っている側が一方的に書く記事ですので、「M&M'sはそう思ってるんだ~」と、ぬるい目でお読みください。)

 私、小さな集合住宅の4Fに住んでいます。常識の範囲内で楽器OKという物件です。そうした条件で探しました。
 さて、当然真下に部屋があるわけで、半年ほど前まで空いていましたが、昨年10月ごろ、四人家族が引っ越してきました。夫婦と小五の男の子、小二の女の子(当時)の四人家族です。実は引っ越した日から、ちょっとヤバいかも、という匂いはしていたのです。10月のある日、私が仕事から帰宅してエレベーターのボタンを押すと、いつまで経っても3Fのままで降りてこない。仕方なく非常階段で上り、ついでに3Fを覗いてみると、こちらの家族が引越しの作業中なのです。エレベーターを止めたまま、えっちらおっちら家財を運び出している。先方は一応わびてきて、こちらも、「わかりました」と済ませたのですが、「あ~、引っ越し代をケチったな」とは思いました。私もケチなのでわからなくはありませんが、こういう迷惑をかけないためにも、普通引っ越しはプロに頼むだろう、とは思ったのですよね。
 しかし、こんなのは序の口でした。
 翌日から私は出張だったのですが、出張先に毎晩妻から電話がかかってくる。「下がうるさい!」と。今まで人がいなかったからちょっと神経質なんじゃない、と軽くいなしていたのですが、数日後に自宅に戻ると、確かにうるさい。しかも半端ない。いつも、というわけではないのですが、断続的に「ドタン!」「バタン!」という音が聞こえてくるのです。しかも夜の22時くらいになっても。こりゃWiiでもやっているか、と思い、翌日「相当音がしますよ」と言いにいったわけです。「どうもすいません」とは言いました。しかし、数日すると元の木阿弥。こちらも、妻や子供がピアノを弾くこともあって(振動防止の強力なマットを敷き、音量をおさえ、時間を守ってですが)、あと面倒なのもあって、あまり強く言えないかと思い、しばらく放っておいたのですが、一向に改善の余地がない。
 一週間ほど前、私が仕事に出ている間に、耐えかねた妻が下に行き、「もうとにかくうるさいです。集合住宅でこれほどうるさいのは初めてです。お願いですから静かにしてください」と頭を下げたほうです。下の方の奥さんの答えは、「すいません、市のおすすめの体操をしているのがうるさいのかしら」と、こちらの予想の斜め上を行くものだったそうで、それを聞いただけでも、私たちを絶望させるには十分でした。
 さてさて、どうしようかな、と思っていたら、一昨日のこと、その日私は流行りの在宅業務で家におり、早朝からずっと仕事をしていてかなり捗り、17時すぎに一息入れていたのですうね。ちなみに妻と娘はちょうど散歩に出たところでした。そしたら、インターフォンが鳴る。
 すると、下の奥さんが玄関にいるんですよ。かいつまんで言うと、ちょうど外から帰ってきたその方の息子に、散歩に出る私の妻が行き合い、「集合住宅に住んでいるから、静かにしてほしい」と言ったそうです(後から確認したら、ぐっとこらえて「お互いに静かにしようね」と穏やかに言ったそうですが)。それがいたくお気に召さなかったようで、「うるさかったら私に言ってください、子供には言わないでください」とのことなのですよね。
 前からこの方の斜め上の応対にあきれていた私は、ビールがちょっと入っていたこともあり(苦笑)、「ちょっと待ってくださいよ、あんなどたんばたんの音をいい大人が出しているとは思いませんよね、息子さんだと思った妻がそれくらい言うのは当然です。しかも子供に言うなとはなんですが、そんなことだからろくでもない社会になる。子供の無法を叱ってくれる大人がいたら、まずはありがとうございますでしょう」と一挙にまくしたててしまったのです(←私もちょっとヤバい人かも)。それでも先方は、「とにかく息子を巻き込まないでください、私に言ってください」と言うので、「いいですか、まず大人に言っても改善は事実なかった、二番目ですが、私はあなた方が怖いんです。あんなふうに、エレベーターを占拠して引越しをして平気な人に何かいったらどんな返しがあるの、と、心から怖いと思っているんです」と、またまた立て板に水でまくしたてたのですよね(←全然怖がっていない)。すると、先方は「一度だけじゃないですか」と、斜め上の回答をなさるので、つい「あんなことが二度あってたまるもんですか」と、控えめに言って相当冷静さに欠ける回答をしてしまったのですよね。これに憤激(当然)した先方は、「もういいです」と、そのまま行ってしまったのでした。
 やれやれ、と思いながらも、言いたいことは言ってよしかと思っていたら、とりあえずその晩は静かで、「よかったよかった」と思っていたのですが、どうもその晩夢見が悪い。しかも起きてもなんとも言えぬ気分の悪さが残る。
 あれこれ考えるうちにはたと思いついたのです。
 私の不愉快さは、おそらくは、小6の「オトコノコ」がそのように母親が振る舞うことを許した、という点にかなり由来するのですね(ジェンダー的観点から不適切な部分はありますが、お許しを)。普通、自分が多少なりとも人に迷惑をかけていてそれを指摘されたら、普通は恥ずかしくてそれを親に言わないか、あるいは言ってしまっても、親がそれに苦情を言いに行くといったら、「恥ずかしいからやめてくれ」というものではないか、と。自分が小6の時の記憶を振り返ってどこをどうつついても、きっとそうだった、と断言できるのです。思春期の自意識とは、そういうものではないでしょうか。
 ところがその子は、自分が怒られたことを根に持つばかりで、反省はない。まあ、完全な冤罪だったらその気持ちもわかりますが、先方の奥様は、そのようにはほとんど言わなかったので、多分、思い当たる節はあるのでしょう。

 いや、すっかり長くなってしまいました。読んでくださった方、すいません(ちょっと飲んでます)。しかし、こう振り返ってみると、いつか書いた、横入りをした私を怒鳴りつけてくださった方に関する感謝の念が増すばかりです(本当)。そして、ドタバタ音を立てる子供を放置し(あるいは自分たちも音を立て?)、子どもが起こられると苦情を言いに来る親を見るにつけ、時代を憂う嘆きの念は強まるのですよね。昭和は遠くなりにけりです。昭和が良いことばかりだったとは思いませんが、公的な問題については、大人が他人の子供を叱っても問題があまりなかったことは、やはり美風に数えて良いのだろう、と思います。

 

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