子どものことと文芸誌

 色々とあって、ついに一週間以上遅れてしまいましたが、前回同じ事情となった時とは違い、お客さまがいらっしゃるなどして、生活が充実していたのが理由です。ちなみに、いらっしゃったお客さまのお一人は、私がこのブログを書いていることをご存知なのですが、お会いした時に、「最近、ちゃんと金曜日に書いていませんね~」(大意)と言われてしまいました。

 今日は少々子どもの話をすることをお許しください。
 子どもが成長すると、自分の知らない世界を拡げてくれるのが嬉しいもの。もちろん幼い時から、様々な言葉や振舞で大人をはっとさせてくれることが多いのですが、中学生ともなってくると、本格的に、親とは違う分野に興味を抱き始めます。
 私の娘の場合、一つは小説、もう一つは吹奏楽です。どちらも、私の趣味と重なるようで、微妙にずれているのですが、その「ずれ」が面白い。
 小説については、私はまあ読むほうだとは思うのですが、良かれあしかれ教養主義的なところがあり、文芸誌はほとんど読みません。しかし娘は、小学校の終わりごろから、文芸誌に夢中になっており、毎月四誌買いそろえることを私に要求するようになったのです。「さすがに高い!」と言うと、「ゲームソフトに夢中になるよりはいいじゃない」と、まあもっともらしい言い訳をしてくる。とはいえ最近は、毎月二誌買う、ということで手を打っています(それ以上欲しければ、お小遣いで買いなさい、と言っています)。
 折角買ってきた文芸誌ですから、私も多少は掲載されている小説を読みます。なるほど、これはこれで面白い。ちなみにそんな次第で、最近の芥川賞受賞作『ハンチバック』は、雑誌初出時にすぐ読みました。なお、なかなか刺激的な記述が続くので、恐る恐る娘に「もう読んだの」と聞いたら、けろっとしながら、「読んだよ」と答え、さらに、小説中に出てくる性的な語の意味を尋ねてくる。こうした質問にはあまりごまかさなないで返答することをルールとしているからか、はたまた自棄になってしまってからか、それらの「無邪気な」(?)質問に答えるという、拷問のような時間をすごすこととあいなりました。
 世の皆さま、いくら芥川賞受賞作とは言え、お子さまが『ハンチバック』を手にしていたら、ご注意くださいませ(?)。なお、私はこの作品は芥川賞は獲らないのでは、と漠然と思っていたのですが、この手の予想、いつも外します(よく言われることですが、小説としての独特の力は間違いなくあります)。
 いずれにせよ、子どものおかげで「文芸誌を読む」という趣味ができたこと(まあ、そこまでは入れ込んでいませんが)、感謝すべきなのでありましょう。

 この流れだと、本当は吹奏楽についても書くべきなのでしょうけれど、ちょっと疲れてしまったし、ネタを取っておきたいというのもあるので、こちらはまた別の機会ということで。

 

M&M's

(9月9日記)