Bookoffの楽しみ

 百人の人がいれば百通りのBookoffの楽しみ方があり、私も私なりに楽しんでいる。もちろん、新刊書店への圧迫に繋がってはいけないので、自分なりに、1)新刊は避ける 2)特に、スリップの挟まれた本は絶対に買わない(万引きされてBookoffに流れた書物は買わない、ということ―ただし最近は、スリップがあるから盗品とは言い切れないようだが) 3)出版からある程度年数が経ったものを選ぶ といったことを基準にして、折々利用している。

  こうなると、かなり以前に出版された新書や文庫、あとはベストセラーの単行本を買うことが多いけれど、恐らく他の人とはちょっと違った趣味もある。外国語の本を買う、というものです。300円~800円くらいで、結構いろいろな外国語の本を購入出来て面白い。

 私の自宅の近くにあるBookoff、外国語の本の棚がまあまあ充実している。ある書棚の6~7段は外国語の本がある感じ。それも英語だけでなく、色々な言語のものがある。この記事の執筆をきっかけに、理由を考えてみて思い当たった。近くに外国人学生のための寮があるのだ。そうした方々が帰国に際して、蔵書を多少は売っているのかもしれない。

 さて、棚の中身について。

 色々な外国語のものがあるとはいえ、メインはやはり英語である。ベストセラーになったもの(有名人の自伝の類)が多く、全く興味がないわけでもないが、基本的には手に取らない。

 面白いのは英語以外の外国語の本。以前、ヘブライ語の絵本があって、たかが400円程度だったのに、つい逡巡していたら、いつの間にかなくなってしまっていた。実に残念。欲しいと思った本はすぐ買うべきであったという後悔、人生で何度繰り返すことになるのか。しかし、家にヘブライ語の絵本があるのって、なんだか素敵だと思いませんか?

 先日件の店で見つけて嬉しかったのは、ポーランド語版『星の王子さま』。あの本は、どの言語の翻訳のものであれ、例の表紙で『星の王子さま』であることはわかる。先日、表紙にアルファベットとはいえ全くわからない言葉でタイトルが記された『星の王子さま』を見つけた私は、1)私にはほぼ未知の言語である(類推の聞く単語がない) 2)多分チェコ語ではない(チェコ語の文字表記は少しだけ知っている) といいうことから、「ポーランド語だろう」とあたりをつけ、300円であったこともあり、購入したわけでした。

 家に帰って、タイトルのアルファベットをインターネットに打ち込んでみると、やはりポーランド語であった。ポーランド語の『星の王子さま』が家にあるのもなんだか嬉しく、図書館でポーランド語の入門書を借りてきて少し読んだ後、『星の王子さま』を少し眺めて、「この単語はこんな意味かしら」などと類推するのも面白い。『解体新書』の翻訳の苦労が偲ばれる(大袈裟)。少しずつで良いから、読み進めてみたいものだ。

 

 なんともひねりのない話ですが、考えてみると、英語以外の外国語の本を購入するのは、新刊書店を圧迫することがほぼないので、正しいBookoffの使い方、と言えなくもないな、と思った次第でした。

 

(M&M's)

 

付記:一週間遅れて9月1日に執筆しております。仕事が立て込んでいる他、遠方から来た友人と呑みに行くなど、まあ、色々とあったわけでした。