ブラームス交響曲・協奏曲・序曲全曲演奏会

 先日、ブラームス交響曲・協奏曲・序曲をすべて一日で演奏するという企画に参加しました。交響曲はすべて演奏に参加したことがあるのですが、協奏曲については一度もなく、これを機会にすべて弾いてみたいと思ったからでした。ちなみに全部弾くには、大まかな感覚で6時間30分くらいかかります。
 しかし準備はやはり大変で、前から準備していればよかったのですがついつい後回しにした結果、直前三日間くらいは本業をそっちのけにして楽譜とにらめっこといった次第とあいなりました。ブラームスの場合、交響曲のリズムもまあ難しいのですが、協奏曲の場合、ソロの独奏の後にオーケストラが入る箇所というのは、しっかり楽譜を書きこんでチェックしておかないと、とてもじゃないですが自信をもって弾くことができないのですよね。けれども、各楽章、一応スコアと見比べながらチェロのパート譜を確認したおかげで、これまでより少しは理解が深まったように思います。あと、これまであまり聴いてこなかったピアノ協奏曲第一番が少し好きになりました。青春の惑いのようなものが感じられる、時に方向性が定まらないところもある曲のように感じますが、それがブラームスらしい魅力を醸し出している、と言えば、ひいきのひきだおしになってしまうでしょうか?


 何にせよ、一人の作曲家についてみっちりとつき合う、というのは、ちょうど一人の作家をひたすら読み続けるのと同じで、何かしらの功徳があるように思います。今回も、少しですが、ブラームスの書法やくせのようなものがわかったように思います。
 なお、今回、ブラームス交響曲で私が一番好きなのは交響曲第二番であり、協奏曲ではヴァイオリン協奏曲であることを再確認しました。いずれも伸びやかな明るさに満ちていると思います(どちらもニ長調ですね)。なお、今回初めて弾いた中では、「ハイドンの主題による変奏曲」がとても面白かった。ブラームスらしいか、というと微妙なのですが、奇妙な諧謔味のある不思議に魅力的な曲だと思います。みなさま、お時間があるときは、youtubeなどで聴いてみてください。


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