言うべきことは言わないと

 ここ数年仕事を一緒にしている人で、ちょっと困った方がいます。私の仕事上のミスを的確に指摘してはくれるのですが、言い方が相当威圧的(「ありえんだろ」「これじゃ先が不安だな」といった言い方)。メンタルが相当強い私でも、ちょっと参ってしまうところがありました。ちなみに、ほぼ完全に同世代。このグループ(先週触れたグループとは違います)には若い人もいるのですが、中には私以上に参っている人もいるようです。

 しかし、仕事は続いていくのですよね。このままじゃこちらのやる気が完全になくなるか、仕事を完全に投げ出ししかないな、ということで、意を決して、抗議のメールを出しました。

 ポイントとして、「指摘の内容は適切だが、その言い方は余りにひどすぎて、感謝の思いが消えてしまう」、「指摘の入った書類を読む気がどうしてもなくなってしまう」、「貴方の言い方は、絶対に過ちを起こさない人間しかしてはいけない言い方だと思う」といったことを書き連ねたわけです。

 こうしたメールを書くと、出してしまった後に、「あれでよかったのだろうか」と少し思い悩むこともあるのですが ー「後悔しない」を格率としているので、悩みを忘れるようにはしますがー 今回は、全く悩まなかった。「書くべきことを書いた」という高揚感の方が強かったです。これで相手がわかってくれないなら、もうこの仕事を降りてもいいな、と思ってもいましたし。

 結局、先方から謝罪のメールが来ました。様々な指摘自体は正しいので、こちらも「諸々の指摘には感謝しています、今後もよろしくご指導ください」とお返事し、一応は手打ち。言うべきことを言っておいてよかったな、と、あと、相手が「言える」相手で良かったと言うところもあります。人生、生きていると、「言うこと」すら、もう完全に諦めたくなる人もいますから。

 「言い方」に重きを置くことには慎重なのですが(「そんな言い方じゃやる気でないよ」というのは、言い訳の定番ですから)、そうは言っても、やはり人の志気を高める言葉、低める言葉というのはあるものですね。自戒の念を込めて、記しておきます。

 

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