日記

 相変わらずバタバタしているので、箇条書きにて

 

・忙しいのは本当ですが、これだけは逃してはなるものか、というわけで、カール・テオドア・ドライヤーの特集に通っています。ドライヤーの映画は以前『裁かるるジャンヌ』のDVDを小さなTV画面で観たことがあるだけなので、これほど多くの映画人を畏怖させる映像とはどのようなものか、興味があったわけです。

 期待に違わぬ緊張感で、「観に来てよかった」とは思うのですが、映画史的知識が足りない私には、どのような言葉を用いればよいのか、よくわからない。室内劇風のシーンが多く、ワンカットも相当長いところから生まれてくる緊張感や、俳優に独自のテンポで話させること(『24時間の情事』を思い出した)から来る独特の雰囲気といったものはわかるのですが、こうした私の感じ方がどれくらい的を射ているのか・・・

 あと、同じ北欧人であり、かつキリスト教の問題を前面に打ち出したベルイマンとの関係も気になるところです。二人の比較研究というのは、どのくらいあるのでしょうか? テーマの大きさのゆえに、思いつく人は多いけれど、実際に取り組む人は少ないという感じ? よくわからないですが、時間が出来たら、こうした比較研究がどの程度あるか、探してみたいところでもあります。

 

・少し前のこととなりますが、GW、小6の娘と『風の谷のナウシカ』と『紅の豚』を観ました。満を持して、という思いです。ジブリの作品というのは、もちろんいくつで観ても良いのですが、この二つの作品はそうは言っても、一定の成熟を要求するような気がします。小6でも早すぎるかもしれない。「難しいことは言わず、いくつであっても素直に楽しみましょう」という当たり前の真実にはあえて逃げ込まず、それぞれの作品の適正鑑賞年齢というのを考えたくもあります。

 あと、GW中の映画と言えば、『グリーンマイル』を観ました。三時間という長さのゆえにこれまで敬遠してきたのですが、いや、えいや、と見てよかった。もちろん、トム・ハンクス演じる主人公がもう一人の主人公とでもいう人物を救う思い切った行動に出ることがない点に憾みは残りますが、作品としての完成度は著しく高いと思う。アメリカのこういった「ちょっと不思議ちゃんプロット映画」は、他にも面白いものがありますよね。『フィールド・オヴ・ドリームス』とか。この系譜(そんなのあるのか?)の映画の系統図を作ってみたら面白いかも。あっ、『グリーンマイル』、小学校6年生でも大丈夫でした。

 

・娘の話をすると、最近、推理小説に凝りまくっています。それも、なかなか本格派で『Xの悲劇』、『Yの悲劇』、『Zの悲劇』、『最後の悲劇』、『黄色い部屋の秘密』、『樽』と、そうそうたる古典推理小説の名作を読み進めております。これらの作品が小学校6年生向きかは知りません。恐らく違うでしょう。私、エラリー・クィーンの最後の二つ(『Zの悲劇』と『最後の悲劇』)、ならびに『樽』、中学校1年生の時に挫折していることを告白いたします。娘はそれを知って一段とチャレンジしようという気持ちになったようで、「私のほうが読書家だもんね」と、鼻高々です。私の方は、「まあ、最近は翻訳も読みやすくなったみたいだしね」と、中年男性らしい最悪の言い訳を子ども相手にかましているところでございます。

 親ばかな話、失礼いたしました。しかし、こうした成長は嬉しいものです。今度は私が娘を見習って、これらの推理小説の名作、チャレンジしたいところです。

 

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